2011年11月14日月曜日

馬場智子 / tomoko BABA

名古屋芸大で油画と同時代表現を学んだ馬場は、昨年は芸術家横丁の木造ギャラリーのフロアに針金で支えられた緑色の毛糸を展開する作品を発表しています。それぞれの毛糸には馬場のみが理解できる表音文字のような機能があり、全体としてその空間から感得したフィーリングを表していますが、その内容は秘密にされています。「儚くて、刹那的なものにこそ安心感を覚える」という彼女は、見る者と作品との間に確かな隔たりと強い結びつきを同時に期待し、謎に誘われて深い森に分け入るような視線のみを静かに待ち受けているのです。今回は昨年と同じ空間に雑然と置かれた陶器の中から注意深く選んだものをテーブルの上に構成し、堆積した表面のホコリを用いて訪れる者に語りかけます。
(I・H)

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